無敵のモチベーションキープ術(後編)
【 登場人物 】
湯川先生: 精神科医。医療、食事、運動、モチベーションに精通している
さつき: 非常に優秀。内向的な性格。あかりに対してだけ心を開いている
あかり: スポーツ万能。衝動的に動いてしまう。外交的。時に敬語を忘れてしまう・・・

(前編からの続き)
小目標を着実にこなすことが大事!
湯川先生: 次は「進捗の法則」を説明するとするかな
そう言って湯川はコーヒーを飲み干した。
さつき: 進捗の法則?名前からは内容が思い浮かんできませんね・・・
湯川先生: 君たちにはあまり聞き慣れない言葉かもしれないね。これは「マネージャーの最も大切な仕事」の著書であるハーバードビジネススクールの名誉教授であるテレサ・アマビールが、何がモチベーションを高めるのかを調べるため、3つの業界、7企業、26チームにわたる合計236人分の12,000近い日誌を分析したものなんだ
さつき: あっ、その人、TEDで観たことあるかも!
湯川先生: とても頭脳明晰で、相手にわかりやすく話してくれる優秀な研究者だから、数多くの公演をされている。彼女はスタンフォード大学で心理学を研究する前は、カニシャス・カレッジで化学を専攻していたのだよ。彼女の分析的な視点はこの時に熟成されたのかもしれないね。話をもとに戻そう
そう言って湯川は立ち上がり、ホワイトボードの前まで歩いた。
湯川先生: 彼女が明らかにしたのは、やりがいを感じている仕事が着実に前に進んでいると認識できること。これこそが業務内容や報酬などよりも仕事の生産性を高めるものであると。
湯川はおもむろにペンを取りホワイトボードに文字を書きだした。
湯川先生: 本来成し遂げたい目標を大目標とし、その前に小目標をたてていく。そして、その小さな目標にまずは向かって進み、それを達成することで、着実に前に進んでいる事を実感する。すると、大目標は決して到達不可能なものではなく時間はかかっても確実に近づいていけるのだと自信がでてくる。それは目標を超えるたびに大きな自信へと変わり、